伊江島で800キロドラム缶落下 米軍夜間訓練、柵外に


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落下したとみられる場所

 米軍伊江島補助飛行場で17日午後9時ごろ、米軍機からパラシュートで投下された水の入ったドラム缶4本(計約800キロ)が目的地点を外れ、フェンスの外にある米軍施設の建設工事現場に落下した。

ドラム缶は一束にまとめられていた。休憩所や資材置き場から約15メートルしか離れていなかったが、作業員が帰宅した後だったため、けが人はいなかった。落下場所は米軍の提供施設内だが、約90メートル先には車両が頻繁に通る道路がある。
 伊江村では今年1月からパラシュート降下訓練による落下事故が2件相次いでおり、今回の事故を含めると3件目。伊江村は米軍に対して物資投下の訓練を控えるよう求めていた。
 県基地対策課は18日、米軍に対し今年に入って事故が相次いでいるとして、「一歩間違えれば重大事故につながりかねない」と再発防止を強く求めた。
 米海兵隊によると、17日午後9時ごろ、米軍機から一束にしたドラム缶4本をパラシュートで投下させた際、目的地点を外れて落下した。原因や使用機体は明らかにしていない。
 海兵隊報道部は「パラシュート降下訓練で55ガロン(約200キロ)の水を入れたドラム缶を使用するのは一般的だ。すべての訓練は安全かつ適切に実施されている」と述べ、運用上問題はなかったとの見方を説明した。
 村によると、基地渉外官から村に通報があった。村役場の担当が18日午前、現場で確認したところ、既にドラム缶やパラシュートはなかった。
 村によると、米軍から訓練実施に関する村への事前通知は定められておらず、今回も通知はなかった。
 沖縄防衛局によると、今回の訓練の実施前に米軍から演習場の使用計画について通報があり、防衛局が村に通知した。
 島袋秀幸伊江村長は「度重なる落下に驚愕(きょうがく)しており、極めて残念だ。基本的に物資投下の訓練は避けてほしいとこれまでも要請している。原因究明と再発防止策が取られるまで訓練は中止してほしい」と述べた。
 伊江村では1月に2人の兵士がパラシュート降下訓練でフェンス外の民間地に着地したほか、3月には不具合の生じたパラシュートがフェンスの外に落下する事故も発生している。