沖縄戦、風化させぬ 伊江村で平和祈願祭


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焼香し戦没者のみ霊に祈りをささげる参列者=21日、伊江村西江前の芳魂之塔

 【伊江】沖縄戦で激しい空爆と地上戦があった伊江村で、戦没者を悼む平和祈願祭が21日、村西江前の芳魂之塔で行われた。村内をはじめ、県内外の遺族や関係者ら約350人が参列した。午後1時、伊江港のフェリーの汽笛を合図に全員で黙とうをささげた。

 伊江村は沖縄戦で軍民合わせて約3500人の尊い命が奪われた。毎年村で戦闘が終結した4月21日に平和祈願祭が行われている。境内の刻銘板には、村内で戦没した人や村出身で県内外で戦没した人も含め4275人が刻銘されている。
 島袋秀幸村長は「69年の長い歳月を経て、今なお癒えることのない心痛な思い。大戦の記憶を風化させることなく、未来永劫(えいごう)に平和を希求する強い心と村民の恒久平和を願う心の叫びを発信する」と述べた。
 村遺族会の新城孝雄会長は「平和の尊さを全世界にアピールし、戦争の悲劇を再び繰り返してはならない」とあいさつした。
 参列者は塔や刻銘板に向かって手を合わせて焼香し、会場は平和の祈りに包まれた。
(金城幸人通信員)