【島人の目】身近なエコロジー


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 実家に電話をすると「今、フランスは何時ねー」と毎回のように聞かれる。時差というのがいまいち分かりにくいらしい。私も最初はそうだったが、特に「夏時間」には少々戸惑ったものだ。
 フランスでは、3月の最終日曜日の午前1時、時計の針を1時間進めて夏時間がスタート、10月の最終日曜日まで続く。日照時間を有効に使えるので結果として照明に消費する電力の4%の節約効果があるとのこと。日本でも1948年から51年の間、採用されていた時期もあったようだ。
 近年の異常気象で天候を予想するのは簡単ではない。今年の1、2月に限っていえば、フランスでは例年より3度も気温が高く、初夏を思わせるような陽気の日さえあった。そんな時、北極海の氷の表面積が78年以来、15%縮小し、2070年には消滅する可能性もあると聞いて、温暖化による影響はもうはるか遠い未来のことではなくなってきていると実感する。
 使っていない電気は消す、水を出しっぱなしにしない、買い物はマイバッグ持参、紙の無駄遣いはしない、ゴミの分別はきちんとするなど、日常ちょっと気を付ければできることはやっているつもりではあるが。あ、でももう少しコンピューターに向かう時間も減らさなきゃ。そう考えていくと身近にできることはたくさんある。電気代など生活費も節約できて、それが地球にもやさしく、結果的には自分たちにとってもやさしいということとなれば、やりがいもでてくる。
(与那嶺佐和子、フランス通信員)