「戦争あれば真っ先に行くのは皆さん」 大田元知事、真和志高で講演


社会
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 慰霊の日を前に真和志高校(與座博好校長)で4日、元県知事で沖縄国際平和研究所の大田昌秀理事長が講演した。

大田氏は集団的自衛権の行使容認や憲法改正の動きに触れ、「次に戦争があれば真っ先に攻撃されるのは基地のある沖縄。真っ先に戦場に出されるのは皆さんのような若者だ」と強調した。
 大田氏は沖縄戦当時、沖縄師範学校2年生で、鉄血勤皇隊として戦場に動員された。「沖縄戦では21校の学校から、多くの生徒が動員された。それより幼い子どもも弾薬運びなどをさせられたり、壕から追い出されたりなどして、1万人余りの14歳未満の子どもが犠牲になった」と、将来のある若い人たちの命を奪った戦争の悲惨さを語った。
 また与那国島への自衛隊配備にも触れ「自衛隊法3条では、国家の平和と安全を守ることが任務と規定され、国民一人一人の命を守るとは書かれていない」と指摘した。その上で「沖縄戦の最大の教訓は『軍隊は住民を守らない』ことだ」と強調した。
 生徒会長の喜舎場静良(せいら)さん(3年)は「戦争は関係ない過去のことだと思わなかった。現在、戦争のできる国へと向かっているが、きょうの話を受け止め行動していくことが、唯一の地上戦を体験した沖縄県民の務めだと思う」と話した。
英文へ→Former Okinawa Governor Ota: When wars occur, governments send young people to battlefields first

大田氏の話を聞く生徒たち=4日、那覇市の県立真和志高校
「改憲の動きは若い人に関係すること」と強調する大田氏