災害時医療で協定 中部4院、薬品提供や職員派遣


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「大規模災害時の中部地区医療機関相互応援に関する協定」を締結し、災害時の連携を確認した関係者ら=10日、沖縄市の中部保健所

 中部地域で救急医療を担う県立中部、中頭、中部徳洲会、ハートライフの4病院と中部保健所は10日、「大規模災害時の中部地区医療機関相互応援に関する協定」を締結した。

地震や津波、テロなどの大規模災害時に連携して医療活動を遂行するのが目的。災害医療に関して近隣病院が協定を結ぶのは県内で初めて。
 各病院が倒壊などで医療活動を維持できなくなった場合、応急処置などに必要な医療機器や医薬品、車両の提供や職員の派遣を行い、被災患者の救出や搬送、受け入れなども連携して行う方針だ。沖縄市の中部保健所で締結式があり、5機関の代表者が協定書を交わした。
 県の基幹災害拠点病院に指定されている県立中部病院の松本廣嗣院長は、「4病院が軸となり協力できる場ができたことは(意義が)大きい」と強調した。
 締結に向け2年前から調整を続けてきた中部保健所の伊礼壬紀夫所長は「今後は軽症患者の受け入れなど、4病院を下支えする他の医療機関や、救急搬送を担う消防と連携体制を構築するため、地区医師会や消防などとの調整を続けたい」と強調。「中部だけで完結する問題ではない。北部や南部など各圏域で(同様の仕組みが)できれば県民のためのシステムになる」と広がりを期待した。