両陛下、対馬丸の犠牲者悼む 記念館で生存者と交流も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
対馬丸記念館を訪問し、高良政勝理事長(左)から説明を受けられる天皇皇后両陛下=27日午前、那覇市(代表撮影)

 26日から来県している天皇皇后両陛下は27日午前、那覇市にある対馬丸の学童慰霊塔「小桜の塔」と対馬丸記念館を初訪問された。記念館で両陛下は対馬丸事件の生存者と遺族15人と懇談。生存者らが語る悲惨な過去に耳を傾け、一人一人に「大変な苦労をされましたね」「これからも元気で過ごしてください」などと優しく声を掛けた。

記念館に先立ち訪れた「小桜の塔」では、そろって献花し、静かに拝礼した。
 対馬丸記念館では、児童らの遺品や遺影が展示された所に差し掛かると足を止め、時間をかけながら、展示品に見入った。その後、両陛下は県庁で、仲井真弘多知事らと会食した。2日間の全日程を終えた両陛下は27日午後、那覇空港から特別機で帰京した。
 両陛下の沖縄訪問について、仲井真知事は「天皇陛下は書物を読むことと、関係者から直接話を聞くということは違う、と素直に表明されていた。(犠牲者と)両陛下は同年代。心に思うことがあったと思う」と語った。