宮古島産マンゴー輸送限界に 島外出荷のめど立たず


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JAの集出荷場に山と積まれたマンゴー。奥には未選果の物もあった=7日、宮古島市

 【宮古島】マンゴー出荷の最盛期を迎えた宮古島の輸送会社で、台風8号の接近を前に荷物の受け付けを制限する動きが広がった。台風直撃を前に収穫を急いだ農家の出荷が急増、航空機の輸送限界に達し、さばき切れなくなったためだ。農家からは「このままでは数百万単位の損失が出る」と悲鳴が上がっている。

 琉球新報の取材によると、早いところでは6日午後から荷物の受け付けを停止した。輸送会社は、受け付けても島外出荷のめどが立たないなどの理由で、配達の遅延に理解を求めていた。
 輸送会社関係者は「石垣経由などあらゆる手段を使って出荷しているが、既に受けた荷物でも滞貨が発生している。受け付けたい気持ちはあるが、にっちもさっちもいかない状況だ」と苦しい胸の内を明かした。
 マンゴー最盛期の台風直撃に農家は危機感を強めている。上地克冶さん(61)=同市上野=の畑ではマンゴー全3万個のうち、9割が未収穫。「多くの農家が収穫を初めたばかり。完熟で収穫しても出荷できず、台風が襲来している間に過熟してしまう。台風対策は農家の力ではどうにもならない」と頭を抱えた。
 一方、JAおきなわの農産物集出荷場にはこの日、6トン近いマンゴーが運び込まれた。選果されていない物も含め10トン余りのマンゴーが集出荷場で台風通過を待つ。担当者は「エアコンをつけっ放しにして、できるだけ品質を保ちたい。あさってには出荷を再開したい」と語った。