豪雨、読谷で最多96ミリ 浸水122件


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 台風8号に伴う雨雲の影響で沖縄本島地方は9日早朝、各地で記録的な大雨となった。沖縄気象台は本島地方に出していた大雨特別警報を同日午前2時52分に一度解除したが、同7時31分に再度発表し、警戒を呼び掛けた。

読谷村では1時間当たりの降水量が96・5ミリと、同地点で観測史上最多を記録した。7日から3日間で、県などの調べでは床上・床下浸水が中北部を中心に少なくとも122件、土砂崩れが84件発生。本紙調べで39人がけがを負った。県は9日夜、サトウキビやマンゴーなど農林水産業への被害総額(速報)を約11億円と発表した。
 県内の公立幼稚園、小中高校、特別支援学校は終日臨時休校となったが、午前中の休校から終日休校へ変更になったため一部地域で混乱が生じた。午後10時現在で中北部を中心に約8300戸が停電している。
 9日早朝、1時間当たりの雨量が観測開始以来、7月の最多を記録したのは、那覇市安次嶺(80・5ミリ)、名護市名護(76ミリ)、沖縄市胡屋(71ミリ)。通勤時間帯と重なり、一部道路が冠水したため、通行止めや渋滞があった。
 雨が降り始めた7日から9日午後9時までの総雨量は、名護市宮里で457・5ミリ、国頭村比地で447ミリ、那覇市樋川で408・5ミリ、読谷村座喜味で405ミリ、国頭村奥で404ミリと、400ミリを超えた。大雨の影響で比謝川と天願川が氾濫した。
 読谷村では午後8時40分までの24時間雨量が386・5ミリと同地点での観測史上最多を記録。7月1カ月の平年降水量の3倍以上となった。
 8日までに20市町村で出されていた避難勧告は、9日午後8時現在、宜野湾市(全域)、名護市(同)、今帰仁村(仲宗根地区)、北中城村(一部地域)の4市村で継続している。本島地方に発表されていた大雨特別警報は、9日午後11時50分に解除された。
 沖縄気象台によると、本島地方は8日午後9時から9日午前0時にかけて暴風域を抜けた。気象台は10日も昼前にかけて強風が続くと見込んでおり「大雨の影響で、地盤が緩んでいる所があり、土砂災害に気を付けてほしい」と呼び掛けている。