県立劇場代替18年目標 国立劇場隣に3000平方メートル


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県立芸能シアター候補地2案

 県は9日までに、旧県立郷土劇場に代わって国立劇場おきなわ周辺に整備する「文化発信交流拠点(県立芸能シアター)」の基本計画をまとめた。シアターは2階建てで延べ床面積3千平方メートル。

110~160席の複数の稽古場兼劇場(スタジオ)などを備える。場所は2案あり、国立劇場おきなわ隣の組踊公園内が有力視されている。場所は9月に決定する見通し。2016年度の着工、18年3月末の使用開始を目指す。
 シアターは、(1)可動席140~160席のスタジオA(約500平方メートル)(2)可動席110~130席のスタジオB(約250平方メートル)(3)芸能団体事務所と倉庫(約150平方メートル)―などを備える。稽古場は需要に応じてさらに設置し、24時間稼働を検討する。
 場所は組踊公園のA案と浦添市産業振興センター・結の街北側のB案。浦添市の都市公園や都市計画道路に重なるため、県は市と調整している。基本計画検討委員会では委員の多数がA案を支持していた。
 シアターは、(1)アジア・世界に開かれた多彩な沖縄芸能のけん引(2)芸能関係者の活動環境向上(3)芸能・文化観光ネットワークのハブ機能―を目標に、公演や人材育成などの自主事業と貸し館事業に取り組む。運営は指定管理者を公募する。
 詳細を検討する14年度の事業費は約1200万円。
 芸能関係者からは旧県立郷土劇場と同規模の施設を求める声もある。県は当面、県内各地の既存施設を活用しながら不足機能をシアターで補い、将来、多くの観客が安定して訪れるなどの環境が整った後に新劇場の整備を検討する方針だ。
(伊佐尚記、呉俐君)