県、不開示理由を変更 辺野古調査の情報公開


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辺野古新基地工事完了までの流れ

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に伴う海底ボーリング調査をめぐり、県が調査の詳細に関する情報開示に後ろ向きな姿勢を示している。県水産課は当初「県の意思決定の中立性が不当に損なわれる恐れがある」として、審査への影響を不開示の理由と説明していた。審査を終え、ボーリング調査を了承した17日は一転して「事業の適正な遂行に支障を及ぼしかねない」と説明を変更。反対の声が根強い新基地建設を進める防衛局を援護するかのような対応に終始している。

 県が「従来も不開示としていた」と強調し、事例として挙げたのは今回と同じ辺野古移設に関する事業。旧那覇防衛施設局が2007年、辺野古沖での環境現況調査(事前調査)のため県海岸防災課に提出した「公共用財産使用協議書」を不開示とし、協議終了後一部を公開したが、平面図などは公開しなかった。
 今回の岩礁破砕申請に関して、事前協議のために提出された資料には、ボーリング調査の作業工程書や図面、区域図が含まれるが、調査地点の詳細を示す資料については、今後も公開しないとみられる。
 一方、同調査をめぐっては防衛局も情報開示に消極的だ。
 防衛局は6月、平和市民連絡会の北上田毅氏が提出したブイの設置方法や場所、業者との契約書などの開示請求に対し「慎重に検討する必要がある」との理由で、30日間の開示決定期間を60日間に延長した。延長期間中にブイ設置を済ませたいとの意図もうかがえる。
 北上田氏は県の姿勢について「協議資料を公開することで、阻止行動が強まることを危惧しているのかもしれないが、本来なら隠す情報ではないはずだ」と指摘した。(清水柚里、松堂秀樹)