森田豊一さん死去 沖縄芝居の名脇役


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森田 豊一さん

 沖縄芝居役者で元琉球歌劇保存会会長の森田豊一(もりた・とよかず)さんが21日午前5時5分、敗血症のため那覇市内の病院で死去した。81歳。那覇市出身。告別式は24日午後2時から2時45分、那覇市銘苅3の22、サンレー那覇北紫雲閣で。喪主は長男勝(まさる)さん。

 「怪盗伝」(石川文一作)の油喰坊主など名脇役として知られた。1971年に宮城亀郁さん、北村三郎さんらと劇団「潮」を旗揚げし、新たな沖縄芝居に取り組んだ。99年に県指定無形文化財「琉球歌劇」保持者に認定。2008~12年に琉球歌劇保存会会長を務めた。11年に県文化功労者の表彰を受けた。
 沖縄俳優協会が昨年9、10月に名護市と読谷村で上演した「首里城明け渡し」が最後の舞台となった。ユーモラスながらたくましく生きる農民を演じた。昨年12月から敗血症で入院し、治療を続けていた。
 共に劇団「潮」で活動した同保存会会長の平良進さんは「沖縄の風俗習慣をよく表す存在感のある役者だった。若手にうちなーんちゅの感じを指導できる存在だったが残念だ」と悼んだ。