辺野古 ブイ設置、中旬以降 波高く浮桟橋撤去


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米軍キャンプ・シュワブ沿岸部に設置された浮桟橋を撤去する作業=29日午後2時、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ

 沖縄防衛局は29日正午ごろ、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画で、キャンプ・シュワブ沿岸部の海底ボーリング調査に向けた浮標灯(ブイ)を海上に運ぶための浮桟橋を撤去した。

沖縄に接近する台風やフィリピン沖にある熱帯低気圧の影響などで波が高くなり、海上での作業が困難と判断したとみられる。浮桟橋は設置から2日目で撤去された。
 防衛局は波が落ち着くのを待って海上の作業を再開する予定だが、当初予定していた月内のブイ設置はほぼ不可能な状況となり、8月中旬以降の作業開始に向け再調整する方針。一方、シュワブのゲート前に設置された鉄柵や鉄板の撤去をめぐって代替施設建設に反対する市民らと警官隊がもみ合うなど混乱が続いた。
 防衛局は当初、今週にもブイ設置とボーリング調査を開始する予定だったが、桟橋や鉄柵の設置作業などが遅れた上、熱帯低気圧が沖縄に接近しているため、大幅に延期する方針。
 シュワブのゲート前に設置された鉄板は、高さ3センチほどの三角形の突起が並んだ形態。市民らは撤去を求め、ベニヤ板で鉄板を覆うとしたが、警官隊に排除された。市民らは同日午前8時前ごろから座り込みを開始。資材を掲載したトラックが基地内に入るのを止めようとする市民らと警察官との衝突が繰り返された。
 防衛省の武田博史報道官は記者会見で、今後の海上での作業の開始時期について「工事等の安全かつ適切な作業を確保するため、答えは差し控えさせていただく」と詳細を明らかにしなかった。鉄柵や鉄板の設置については「歩行者等の安全な横断を確保することなどを目的に、ゲートの整備を行っている。敷地の占有許可などの必要な手続きが行われている」と説明した。