口コミで販路拡大へ 沖縄大交易会 通販発信、ブロガー招待も


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 沖縄総合事務局は、11月に開催される国際商談会「沖縄大交易会」に合わせて「OTORIYOSE(お取り寄せ)マーケット」創出可能性調査事業を実施し、対消費者向け(BtoC)のビジネス拡大を図る。香港の一般消費者をターゲットに、現地の通販サイトで出展企業などの商品を紹介するとともに、多くの読者や影響力を持つブロガーを香港から大交易会に招き、口コミ効果で販路拡大を目指す。事業は企画公募でパム地域産業研究所(那覇市)に委託する。

 沖縄大交易会は、企業間取り引き(BtoB)が目的だが、中小規模の出展企業が海外のスーパーなどに定期的に商品を卸していくには生産ロット数の確保や価格調整など課題が多い。
 同事業では、大交易会の出展企業が扱う生鮮品を中心に約20品目を香港の通販サイトにアップ。那覇空港を中継拠点(ハブ)とする全日空の航空貨物事業を活用したヤマト運輸の「国際クール宅急便」で届ける。香港の「お取り寄せ」ニーズを調査した上でアップする商品を選定し、出展企業に呼び掛けていく。
 大交易会当日は、香港で情報発信力の高いブロガー数人を招く。サイトにアップした商品を展示するブースを会場に設け、ブロガーが実際に見て、味わい、ソーシャルネットワークシステム(SNS)でタイムリーに発信してもらう計画だ。
 沖縄総合事務局の担当者は「国内市場が縮小する中、小規模事業者もアジア展開に意欲はあるが、ハードルが高いのが実情。『お取り寄せ』でアジア市場を経験し、新たな商品開発に生かすこともできる。ブレークすれば、BtoBにもつながる」と話した。