辺野古 抗議への支援広がる 高校生、家族連れも


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島田忠彦さんの「唐船ドーイ」にテントから飛び出し踊りだす座り込み参加者たち=20日、名護市のキャンプ・シュワブゲート前

 【辺野古問題取材班】米軍キャンプ・シュワブ第1ゲート前では20日も、初めて辺野古を訪れた家族連れや高校生らの姿が見られ、参加者らの幅が広がっている。悲壮感はなく、連日100人を超える人が訪れるテント内はむしろにぎわいを増している。

  宜野座村松田から座り込みに通う農業の島田忠彦さん(66)は三線で、戦争による肉親との別れを歌った「軍人節」など沖縄民謡を披露。市民らが一斉に歩道に出て、カチャーシーの輪が広がった。
 名護高等予備校校長の輿石正さんは、名護高3年の女子生徒3人を引率してゲート前へ。輿石さんは「自分の目で見て自分の頭で考える人であってほしい。この子たちの未来を決めることだから」と目を細めた。
 現場海域では20日午前9時すぎ、市民のカヌー隊がこれまでで最大の17艇で海に繰り出した。海上保安庁のゴムボートに並走されながら長時間抗議したが、平島付近の海をゆったりとこぐ時間帯があり、安全面から航行を制限されていた平島と長島間も航行できた。
 「最高にきれいな海だった。気持ち良かった」。浜に戻った参加者らは、辺野古の自然を体感したという充実した表情に包まれた。
 一方、沖縄防衛局は20日、辺野古崎付近に設置した2基目のスパット台船で、19日には確認されなかった掘削棒(ロッド)を海中に下ろした作業も実施した。浮桟橋付近の1基目のスパット台船でも、19日に続きロッドを下ろした作業を行ったが、20日は、前日の倍ほどの太さのロッドを使用。異なる作業が行われたとみられる。
 沖縄防衛局はスパット台船を利用して磁気探査を実施した後、地質調査などを行うとするが、具体的な工程は明らかにしていない。