重厚歌声に観客涙 「対馬丸」「回天」犠牲者しのぶ


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池辺晋一郎さん(左)の指揮、津嘉山正種さん(右)の語りに合わせ、対馬丸と回天の悲劇を重厚な歌声で再現する合唱団員ら=24日、浦添市てだこホール

 【浦添】70年前、海に沈んだ学童疎開船「対馬丸」と人間魚雷「回天」の犠牲者をしのび、「合唱構成『二つの海』―海に消えた二つの航跡―」(同公演実行委員会など主催)が24日、浦添市てだこホール大ホールで開かれた。

対馬丸と回天の悲劇を描いた全9曲からなる「二つの―」を、県内外4合唱団の団員約150人が重厚な歌声で再現した。県出身俳優・津嘉山正種さんの臨場感あふれる語りも相まって、会場にはハンカチで目頭を押さえる観客もいた。
 指揮を担当した作曲者の池辺晋一郎さんは「歌声ですぐに社会を変えることはできないが、心の中の肩を組ませることができる。その輪を広げれば、少しずつ社会を変えられる」と、観客に諦めない大切さを訴えた。