政治

「在沖基地は脆弱」 ナイ氏寄稿 日米同盟再考求める

ジョセフ・ナイ氏

 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】米民主党系の対日政策に強い影響力を持つジョセフ・ナイ元米国防次官補がこのほど米ニュースサイト「ハフィントン・ポスト」に寄稿し、「多くの日本人は日米同盟の非対称性に憤りを抱いており、特に沖縄の基地負担に対する怒りもある」と指摘した。

ナイ氏は「中国のミサイル技術が発展し、沖縄の米軍基地は脆弱(ぜいじゃく)になった」とも指摘。沖縄に米軍を集中させる理由として日米両政府が説明してきた「地理的優位性」が、実際は乏しくなり続けていることもあらためて認める形となった。
 論文寄稿は8月7日付。ナイ氏は「日米は同盟の構造を再考しなくてはならない」と強調した。同盟の将来像について、安倍政権が集団的自衛権の行使容認に踏み切ったことを「前進」と評価。この文脈で在日米軍基地について「次第に日本の管理下に移していき、米軍はこれらの施設をローテーション(巡回配備)することが長期的なゴールだ」と指摘した。
 一方、「ただその過程は注意深く行われるべきだ」とし、中国のミサイル技術向上で在沖基地が「脆弱」になったことに触れ、「米軍にとっての利益が減ったために基地を日本に返すとの認識は避けなくてはならない」と強調。日米両政府で、日米同盟に対する米側の「約束」を再確認した上で、米軍基地の管理権移行を進める合同委員会を設置すべきだと提言した。
 ナイ氏は2011年、米紙ニューヨーク・タイムズに寄稿し、「海兵隊を県内で移設する現行計画が沖縄の人々に受け入れられる余地はほとんどない」と分析した上で、在沖海兵隊のオーストラリア移転を提言した経緯がある。
英文へ→Joseph Nye: “the fixed bases on Okinawa become increasingly vulnerable”



琉球新報