ユインチホテル、天然ガス発電設備着工


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ユインチホテルのコージェネレーションシステム&温泉熱活用

 タピック沖縄(宮里好一社長)は、南城市内で運営するユインチホテル南城敷地内で採取される水溶性天然ガスを発電などに利用するコージェネレーション設備の建設に着工した。

天然ガスを利用したコージェネレーション設備は県内初。建設費は約8400万円で、12月に完成し、2015年1月からの稼働を予定している。
 導入した設備でホテルの電力の10%を賄う。ガスの排熱を利用した給湯としても利用する。将来的には排気時に発生する二酸化炭素を植物工場などにも活用する計画だ。
 天然ガスを採取する「南城ユインチ鉱山」で3日、安全祈願祭を実施した。
 ユインチホテルはこれまで、天然ガスと一緒に湧出する温泉を温浴施設に利用し、温泉の排熱を利用した給湯などに使っていたが、天然ガスの利用には至っていなかった。
 コージェネレーション設備の導入で、ホテルの電力の10%を天然ガスで賄うほか、ボイラーの燃料代を削減する。ユインチホテルは電気代と燃料代あわせて月120万円のコスト削減を見込む。
 宮里社長は「コージェネレーションシステムを導入することで環境に優しい発電・発熱ができる。沖縄の天然ガスの利活用の在り方を考える上でも、大きな意味がある」と語った。

<用語>コージェネレーションシステム
 採取した水溶性天然ガスをガスと温泉に分離し、天然ガスを利用した発電や、温泉を冷ます際に発生する排熱を熱エネルギーとして冷暖房や給湯などに利用する仕組み。省エネルギーや二酸化炭素の削減に効果がある発電方式として、地球温暖化対策にも期待されている。