海保、一時10人拘束 声荒らげ「近づくな」


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海上保安官に拘束されるカヌー隊の男性ら=4日午前10時45分ごろ、キャンプ・シュワブ沿岸部

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設工事が進む名護市辺野古沖で、海上保安庁は4日、辺野古漁港側のスパット台船近くの浮具(フロート)の内側にカヌーで入った市民10人の身柄を一時拘束した。

台船では朝から作業員の姿が確認されたほか、台船付近や臨時制限区域内の数カ所で、ダイバーによる潜水作業も実施された。一方、キャンプ・シュワブゲート前には市民ら約70人が集まり、基地建設反対の声を上げた。
 午前10時45分ごろには辺野古漁港側の青色のスパット台船近くで抗議行動をしていたカヌー10艇ほどが続々とフロート内に入り、市民ら10人が海上保安官に拘束された。市民らは約1時間後に仲間の船に引き渡された。一時拘束された同志社大1年生の片岡希望さん(18)=京都府=は「3人の海上保安官に上から押さえつけられるように拘束され、痛かった」と話した。
 カヌー隊によると、海保は拘束理由については語らず「フロートを越えて何が正当な抗議行動だ」などと話していたという。「フロートから離れろ」「近づくなと言っただろ」などと声を荒らげる場面もあった。カヌー6艇は押収され、フロート内に入らないことを条件に約2時間後に返された。
 一方、シュワブゲート前でも約70人の市民が訪れ、「海を守ろう」などと抗議の声を上げた。また海に向かい「カヌー隊頑張れ」などとエールを送る場面もあった。ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は「翁長雄志那覇市長、稲嶺進名護市長が激励に訪れてくれた。基地建設断念まで頑張ろう」と呼び掛けた。
 この日のゲート前は基地内の隊舎建設に使用するとみられるコンクリートを積載したミキサー車の出入りが目立った。