独自技術で黒ニンニク 熟成短縮で低価格実現


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県産ニンニクを発酵・熟成させて作った黒ニンニク(左)と黒ニンニク入りのドレッシングなど

 島ニンニクを使い県内初の黒ニンニクの製造・販売を手掛ける農業生産法人テクノグリーン(沖縄市、津田忠夫代表)。津田代表自身が開発した同期装置(シーケンサー)を用い、釜内の温度や湿度などを管理し、黒ニンニクを製造している。

同期装置の導入で、人件費や熟成期間短縮など作業の効率化に成功した。2013年10月からシンガポールや香港へ輸出しており、需要が高まってきている。
 使用するのは宜野座村、うるま市、伊江島で無農薬栽培した島ニンニク。収穫したニンニクは専用の釜で約2週間発酵熟成させる。釜内にはシーケンサーという温度や湿度などを管理する機械が備え付けられており、ニンニクの水分含有量に合わせて、自動で熟成に適した環境条件に設定する。
 通常、黒ニンニクは約1カ月間一定の温度下で熟成させる。しかし、同社は熟成期間を約2週間に短縮し、低価格を実現した。道の駅いとまんを除く県内の道の駅や県外のわしたショップで取り扱っている。津田代表は「近年の健康食品ブームで、大阪や東京で結婚式の引き出物としての人気も出てきた」と話す。
 同社は12年8月に設立。高単価で安定した収量を見込める作物の生産を検討し、県内初の黒ニンニク生産を始めた。津田代表は「誰もやっていないことを始めたかった。従来の農業とは違う、楽して、おいしい商品を作る新しい農業を提案したい」と話した。

<用語>黒ニンニク
 生ニンニクを一定の温度と湿度で一定期間、熟成・発酵させたもので、生ニンニクよりも甘く、柔らかい食感に変化する。発酵させることで、ニンニク独特の香りを抑える。美容や健康に良いとされ人気が出ているという。