屋比久、志喜屋V 全日本学生レスリング


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 レスリングの全日本大学グレコローマン選手権は25、26の両日、東京・駒沢体育館で行われ、71キロ級の屋比久翔平(浦添工―日体大)、98キロ級の志喜屋正明(浦添工―国士舘大)が全国の頂点に立った。

屋比久は4月のJOC杯、8月の全日本学生選手権に続き、ことしは学生の全国大会で3連勝。8月の全日本で準優勝だった志喜屋は大学初タイトルとなった。85キロ級では与那覇竜太(浦添工―専修大)が3位だった。

◆有言実行の圧勝劇 屋比久
 屋比久翔平(浦添工―日体大)は4月のJOC杯全日本ジュニア選手権、8月の全日本学生選手権に続く戴冠。「圧倒的な内容で勝たないといけないと思っていた。学生の大会でポイントを取られるようでは上を目指せない」
 初戦から決勝まで無失点と、王者らしい有言実行の圧勝だった。
 決勝は屋比久の鋭いタックルに相手は引き気味にならざるを得ず、序盤から優位に立った。第2ピリオド4分10秒、グラウンド(寝技)の優先権を得ると、相手を一気に持ち上げて返しフォールで勝負を決めた。
 昨年の世界ジュニア選手権では銅メダルを獲得したが階級を上げたことしは1回戦で敗れ、「パワーが全く違った」と世界との差を痛感した。現在2年生の屋比久。五輪出場を目指すのは75キロ級で、力も技も進化が求められる。
 次の戦いは10月の国体だ。6月の全日本選抜選手権で敗れた井上智裕や世界選手権代表の江藤紀友ら強敵が待ち受けるが、屋比久は「優勝したい」ときっぱり言い切った。

◆豪快に大学初戴冠 志喜屋
 相手の背後を取った志喜屋正明が得意の反り投げで豪快に決めた。決勝はわずか47秒のTフォール勝ち。「きょうは自分の形が出せた」と納得する大学初タイトルだった。
 8月の大学選手権は決勝で1年生の奈良(日体大)に敗れて2位。県勢3人が優勝する中で悔しさをかみしめ、今大会は「勝つのは絶対条件」と誓って臨んだ。
 ひたすら前に出るスタイルを見直し、立ち技からグラウンドへ流れるようなレスリングを心掛けた。決勝は背中を取ってからローリング、さらに投げ技と修正点を結実した戦いぶりを見せた。
 準決勝で再び対戦した奈良には判定までもつれこみ「硬くなっていた」と反省点もある。
 だが「3年生の意地もある。ライバルでなく、相手にしないくらいもっと強くなりたい」とさらなる飛躍を誓った。