辺野古、漁獲量87%減 6~8月、移設作業が影響か


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 【名護】政府が米軍普天間飛行場移設に向けた作業を行う名護市辺野古海域に近い辺野古漁港と汀間漁港で、ことし夏の漁獲量が前年同期比で約8割減っていることが6日分かった。市が市議会で明らかにした。

 市が名護漁業協同組合から受けた資料では6~8月の漁獲量は辺野古漁港が0・68トンで前年同期の5・07トンから約87%減少した。汀間漁港は2・58トンで同11・72トンから約78%減った。
 移設作業で両漁港の漁師らは、報酬を受けて辺野古沖の警戒船として船を出すなどしている。
 質問した東恩納琢磨氏が警戒船業務による漁の減少を指摘したのに対し、市は「数字だけでは漁業をしていないことが要因とは言えない」と述べるにとどめた。例年11~5月が漁業の最盛期で、漁獲量減少が「消費者に及ぼす影響は不明」という。
 市は移設予定地に面した大浦湾などで営業するエコツーリズム業者への聞き取りで、辺野古沖で常時立ち入りを禁止する水域が設定され、航路や営業区域の変更を余儀なくされているとの報告があったと説明。
 予定地に近い平島への無人島ツアーを企画する業者で、昨年605人の利用客がありながらことしはゼロだった所もあるという。市は今後も移設作業による漁業や観光への影響を調べる。