久米島病院、地域医療の質 向上へ テレビ会議形式で初研修


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久米島病院と八重山病院とを結んでテレビ会議形式で行われた島嶼看護研修=9月28日、久米島病院

 【久米島】島嶼看護研修(応援者育成コース)が9月7~29日の日程で、久米島病院を中心に開かれた。看護師20人が参加した。テレビ会議形式で研修を行う初の試みで、2014年度島嶼看護職者研修事業(県立看護大学主催、公立久米島病院共催)の一環。同病院から、県立看護大学と県立八重山病院とをインターネットで結んだ。

 小離島の診療所などに派遣される医療従事者の準備教育や、実際に勤務している看護師が日々の実践を振り返りながら今後の実践力向上につなげることを目的としている。
 初日は久米島病院で、県立看護大学の前田和子学長、大湾明美教授、渡久山朝裕准教授による講義が行われた。9月11日からの2日間は、渡名喜島の健康課題の把握や診療所での看護活動実習を実施。同28日から2日間は、健診・医療・介護データから見る地域の健康課題について、久米島町での実際の取り組みについて意見交換した。
 このほか、県立八重山病院の大屋盛丈薬局長による島の診療所における薬剤管理の在り方に関する講義や、「島の救急事例のトリアージ」演習などの研修が行われた。
 前田学長は「最終的には島嶼看護師が主体的に研修を開催し、全体の看護力向上につなげたい。今後も地域医療の質の向上や看護師の人材確保に努めたい」と話した。
(中島徹也通信員)