夕暮れ響く元気な声 宜野座・惣慶・漢那 児童が音読放送


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 【宜野座】「こんばんは。夕読み放送の時間です」。午後5時ごろ、夕焼け空の集落に子どもたちの元気な声が響き渡る。宜野座村の宜野座、惣慶、漢那の3区では、区内放送のスピーカーで児童が音読する「夕読み放送」が盛んだ。人前で堂々と話すことができるようにと始めた活動は「ないと寂しい」という声もあるほど、地域になじんでいる。

 惣慶区は夕読みを始めて30年以上、途切れることなく長く続いている。平日の午後3時から5時ごろまでの間に小学校1年~6年の児童が国語の教科書を中心に音読する。9日は上地舞姫瑠さん(8)と仲栄真みりるさんら5人が放送室のマイクの前に立った。「みんなに聞かれるから緊張する」と恥ずかしそうに話す仲栄真さん。上地さんは「漢字の読みが苦手だから頑張りたい」と反省して意気込んだ。
 漢那区は漢那小を中心に約20年続いているが、担当教師などの引き継ぎが途切れるなどして2007年に一時休止。「子どもたちの声を聞きたい」との地域の声が強く、昨年6年ぶりに区の主導で復活した。
 仲本仁区長は「人前で話せるようになることは必要。継続は力なりでこれからも続けていきたい」と話した。
 8日、漢那区で共同売店「デリデリ」を経営する仲地要さん(40)は、併設する屋台で焼き鳥を焼きながら夕読みを聞いていた。「たまに聞こえないときは寂しい。とてもいい取り組みだと思う」と話した。

元気よく読み上げた夕読み当番のメンバー=9日、宜野座村惣慶公民館学習館
マイクの前で教科書を読む漢那小4年の金武凌世君=8日、宜野座村漢那学習共用施設