多彩な音色躍動 琉球交響楽団


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華々しさや爽快感などさまざまな音色を演出した琉球交響楽団の第26回定期演奏会=17日、浦添市てだこホール

 琉球交響楽団の第26回定期演奏会が17日、浦添市てだこホールであった。エルガー「弦楽のためのセレナーデホ短調作品20」、チャイコフスキー「交響曲第4番ヘ短調作品36」などを演奏。

大友直人の指揮に合わせ、激しさや華々しさなどさまざまな音色が躍動した。
 3楽章で構成される「弦楽のためのセレナーデ―」は優雅な風景が広がるようなオープニングから、駆け抜けるような中盤へ。終盤にかけて優しい音色が会場全体を包んでいく。
 「交響曲第101番ニ長調『時計』」は気分を高揚させる軽快な序盤から、ファゴットなどの低音が時計の針が進む音を連想させ、リズムを刻んでいく。中盤にはバイオリンの音色も包み、心地よさも演出していく。大友の力強い指揮に追随するように、全ての楽器の音色が一つとなり、終焉(しゅうえん)を迎える。
 チャイコフスキーの「交響曲第4番―」はホルンとファゴットのファンファーレのような音色から始まり、楽しさをつくり出していく。オーボエの音色とバイオリンが弦を指ではじく「ピチカート奏法」は軽快でどこか幻想的な風景を連想させる。旅をしているような空間を演出しながらも激しい旋律も顔を出す。闇が晴れていくような華々しい演奏でフィナーレを迎えた。
 観衆から送られる拍手の中、演奏家が互いの演奏をたたえるように握手を重ね、演奏会を締めくくった。