石綿説明なく抗議 市民、警官と衝突も 辺野古


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工事車両の搬入を阻止しようと警官ともみ合いになる市民ら=23日、名護市辺野古

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対する市民ら約50人は、23日もキャンプ・シュワブ第1ゲート前で抗議行動を展開した。市民らはシュワブ内にある飛散性のアスベスト(石綿)を含む建物除去作業に伴う対策への説明を求めたが、沖縄防衛局から明確な回答がなされず、市民らから怒りの声が上がった。

 29日から始まる建物除去作業に関して、沖縄平和運動センターの山城博治議長が、ゲート前を訪れていた沖縄防衛局の担当者に対し、アスベスト対策について説明を求めたが、担当者は情報開示請求をするよう回答。山城議長は8月に公開された、ほとんどが黒塗りだった浮標灯(ブイ)設置に関する文書を例に挙げ「あんな黒塗りの情報公開に何の意味があるのか」と指摘。市民らは、明確な回答が得られるまで、全ての工事車両の出入りを阻止するとしてゲート前に座り込み抗議した。
 これに対し、警官約40人が市民らを排除し、工事車両の出入りするスペースを確保。その後も市民らが道路に座り込むと、警官が市民を抱え上げ、テント前に移すなど衝突を繰り返した。山城議長は「アスベストは辺野古区民も大きな健康被害を受ける。大きな問題の一つだ」と話した。
 辺野古沖の海上は午前から沖縄防衛局の警戒船約10隻の姿が確認された。台風の影響で浜に打ち上げられた浮具(フロート)を重機でつり上げ、浜に並べる様子は見られたが、再設置などは確認されなかった。