全駐労、米軍と直接協議 労働条件改善、継続開催目指す


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 日米地位協定が壁となって国内の労働法が適用されない事例がある基地従業員の労働実態の改善に向け、全駐労と防衛省、米軍が9月末に東京で初協議を開いていたことが分かった。

米軍基地の食堂や売店を運営するAAFES(米陸・空軍エクスチェンジサービス)が定年退職後の再雇用者の雇用形態を本人の意向に反してフルタイムをパートに変更し、賃金を抑制している問題などを協議した。
 全駐労沖縄地区本部(与那覇栄蔵委員長)が25日、宜野湾市で定期大会を開き、組合員へ報告した。協議には全駐労の本部と沖縄地本、在日米軍司令部、防衛省、沖縄防衛局など6者が参加した。
 通常は全駐労と防衛省が団体交渉しているが、今回は米軍へ、じかに要請できる場が初めて設けられた。今後は、県内で沖縄防衛局、在沖米軍、全駐労沖縄地本の3者による協議開催も目指している。与那覇委員長は「これまで組合の従業員の声がうまく伝わっていないということで協議を求めていた。継続できるよう努力していきたい」と述べた。
 定期大会はこのほか、嘉手納より南の基地返還計画の実行に伴う雇用確保・離職者対策の強化や駐留軍労働者の基本法令制定、組織拡大などの運動方針や大会宣言を確認した。AAFESの再雇用問題では、高齢従業員の勤務時間は、改正高齢者雇用安定法に基づき、希望者全員を65歳まで継続雇用するよう労使で協議する方針を盛り込んだ。
 11月16日投開票の知事選へ出馬を予定している翁長雄志前那覇市長も登壇し、あいさつした。