【ロサンゼルス】2世週の女王にレオンさん


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2世ウイークパレードでのトリー・レオンさん=8月、リトル東京

 ことしの第74回2世週日本祭は、8月下旬で終了したが、2世週の女王に選ばれたトリー・レオンさん(24)の日米友好親善のボランティア活動は始まったばかりだ。ロサンゼルスと姉妹都市提携を結んでいる名古屋をはじめ、東京などの視察行事を終え、南カリフォルニアに戻ってきたレオンさんは、これからの女王としての活動に、興奮を隠せない様子だった。

 レオンさんの祖母、エンジェル・ニシナカさんは県系2世。カリフォルニア州に居住した沖縄からの移民の娘で、一家で農業を営んでいたが、第2次世界大戦で強制収容を命じられ、農場を失った。再びカリフォルニアに戻ったエンジェルさんは、その後結婚し子宝に恵まれたが、後に離婚。7人の子どもを全員引き取り、シングル・マザーとして育て上げた。
 祖母の生きざまを目の当たりにしてきたレオンさんは、どんな困難にもめげないウチナーンチュ精神が大好きだという。レオンさんは「偉業は決して終わりを迎えることはない。差別と闘い、立ち直りが早い日系アメリカ人には誇り高い精神が宿っている。そのフレーズが私は大好きだ」と論文で書いたことがある。女王選出の時も、それをスピーチの中に取り入れた。レオンさんはことし24歳になったばかり。ロサンゼルス生まれで、2011、12、14年と県系の女王だ。
 レオンさんは、奨学資金を得てオキシデンタル・カレッジの心理学部を卒業した。同カレッジは、かつてオバマ大統領が一時、籍を置いて勉学に励んだ大学として名を残している。レオンさんは在学中、大学始まって以来の女性ゴルフプレーヤーとして活躍、今では女性チームも出来上がっている。将来の夢はプロの視力鑑定士になることだと胸を張った。(当銘貞夫通信員)