「中城ハンタ道」国史跡に 「平敷屋製糖跡」は記念物


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 国の文化審議会(宮田亮平会長)は21日、中城村の「中城ハンタ道」を史跡に指定し、うるま市の「平敷屋製糖工場跡」を登録記念物(遺跡関係)に登録するよう下村博文文部科学大臣に答申した。

官報告示の後に正式に指定、登録される。県内の国指定史跡は39件目、登録記念物(遺跡関係)は初めてとなる。
 「中城ハンタ道」は首里王府時代に首里城と中城城を結んだ街道。14世紀後半に整備されたと考えられ、17世紀後半まで宿道として利用された。約7キロの街道のうち、発掘調査などを終え整備された新垣地区の約330メートル、伊舎堂地区の約250メートルが指定される。
 「平敷屋製糖工場跡」は1940年にうるま市の勝連平敷屋の11組のサーターヤー(黒糖小屋)が合併して新設され、44年まで操業した。牛を動力とする製糖機と蒸気機関を動力とする製糖機が共存している。
 「中城ハンタ道」の指定について、中城村の呉屋之雄教育長は「価値が高い遺跡だ。今後も保護や保存、管理に努め利活用を図りたい」と歓迎した。
 「平敷屋製糖工場跡」の登録について、うるま市の島袋俊夫市長は「ほぼ原型のまま残っているのは県内でも珍しい。景観などと一体感ある整備をしていきたい」と述べた。

中城村の中城ハンタ道(県教育委員会提供)
うるま市の平敷屋製糖工場跡(県教育委員会提供)