県民体育大会閉幕 沖縄市が男女総合優勝に輝く


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 県民体育大会秋季大会最終日は23日、各地で行われ、市郡対抗成績は男女総合を沖縄市が制し、16年ぶり6度目の頂点に立った。女子総合優勝は中頭郡だった。バスケットボール男子で那覇市が2連覇、女子は宜野湾市が12連覇を飾った。

柔道は糸満市が4連覇を達成した。陸上は40代女子100メートルで儀間由紀美(中頭郡)が13秒11の県新記録で優勝。一般女子400メートルリレーは名護市が49秒97で圧勝した。ソフトボール男子は国頭郡、女子は中頭郡が優勝した。ハンドボールは男女ともに浦添市が制した。サッカーは那覇市が栄冠を手にした。

◆宜野湾、バスケ女子12連覇 王者の底力、劣勢挽回
 11連覇中の女子宜野湾市は第1クオーター(Q)で12点差をつけられる苦しい展開。キャプテン島袋友見は「出だしの悪さが課題だったから、締めていこうと話していたのに…」と表情が曇った。しかし絶対女王の本領発揮は、ここからだった。全員で「相手の攻撃に合わせるんじゃなく、足を使ってルーズボールやリバウンドを取りに行く」ことを確認し合った。
 やるべきバスケットを取り戻した第2Q。高さのある島尻郡のインサイド陣に対し、激しい守りで自由なプレーを許さずボールを奪うと、エース呉屋菜美子が次々と得点しリズムをつくった。
 「調子は悪かった」と得点源の役割を果たせていなかった島袋も、いい流れに乗るチームに合わせ復調。前半終了間際は「みんなが自分に打たせようと、好機をつくってくれたから思い切り打てた」と、仲間の思いが乗った3ポイントを鮮やかに決めた。相手の戦意をそぐのに十分過ぎる一発だ。第1Qの12点差を縮めるどころか、第2Qだけで逆転し7点のリードを奪い、後半は一丸で守り切った。
 「12連覇への重圧で久しぶりに緊張した大会だったけど、勝ててほっとした」。試合中の険しい表情が一転、キャプテンの笑顔が輝いた。(普久原裕南)

◆柔道 糸満、重圧越えV4 チーム一丸、役割果たす
 糸満市は苦しみながらも選手それぞれが役割を果たし、4連覇を達成した。稲嶺源己監督は「(4連覇の)プレッシャーはあったが選手たちがよくやってくれた」と目を細めた。準々決勝の那覇市は1―0、島尻郡との準決勝は3―1。接戦を制し、トーナメントを勝ち上がった。うるま市との決勝は先鋒(せんぽう)の岩切大が相手の反則で勝ちをもぎ取ると、チームを勢いに乗せた。次鋒の金城智哉は引き分けた。中堅の伊禮俊は相手の体をうまく返して横四方固めで抑え込んだ。続く副将・伊禮祐も4分間攻め続けて優勢勝ちを収め、大将戦を待たずに優勝を決めた。
 勝負が決まっても、大将の伊敷吉高は「負けて終わるわけにはいかない」と気合を入れた。相手が前に出てきたところを見逃さず、内股で一本勝ちを収めた。
 メンバーは子どものころから同じ道場で汗を流した幼なじみ。今はそれぞれの職場などで柔道を続けており、県民体育大会でチームが組めることを「楽しみにしている」(伊禮俊)という。伊敷は「勝つことで地元が一つになれる。連覇を続けたい」と早くもV5を見据えた。(荒井良平)

島尻郡―宜野湾市 第2Q終了間際、相手を突き放す3点シュートを決める宜野湾市の島袋友見主将=23日、沖縄市の美里高校体育館(普久原裕南撮影)
柔道決勝 内股で攻める糸満の大将・伊敷吉高(手前)=23日、沖縄市武道場