衆院沖縄4区 保守陣営ねじれ 首長、元県議ら割れる


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
(左から)西銘恒三郎氏、仲里利信氏

 衆院選沖縄4区は、自民党前職の西銘恒三郎氏(60)と元自民党県連顧問で無所属新人の仲里利信氏(77)が出馬の意向を示している。仲里氏は西銘氏の後援会長を務めていたが、西銘氏が米軍普天間飛行場の県外移設公約を撤回し、辺野古移設を容認したため昨年5月に会長を辞任した。

一方、かつて自民県議として県議会議長も務めた仲里氏は、ことし1月の名護市長選で移設反対候補を支援したとして自民党を除名された。因縁の対決となる中、選挙区内の保守系支持者らの動向も、前回衆院選や先の知事選から変化し、ねじれが生じている。
 西銘氏は23日、後援会事務所で市町村長や県議らを交えた拡大対策集会や市町村議も交えた会議を開き、態勢を確認。16日の知事選では辺野古移設反対の翁長雄志氏を支援した城間俊安南風原町長の姿もあった。
 城間氏は「(西銘氏と翁長氏は)辺野古問題以外は共通する点が多く、人脈もある。新人が(衆院議席の)475分の1となっても、国政に大きな声は届けられない。継続が県益につながる」と強調した。4区の市町村長もほとんど西銘氏支持に回る見通しだ。
 一方、仲里氏は今回、知事選で翁長氏を推した社民、共産、社大、生活の野党各党と県議会野党会派の県民ネット、那覇市議会保守系会派の新風会が合同で擁立した。2012年の前回衆院選では西銘氏を支持した元自民県議の親川盛一氏が南城支部長を務める。
 親川氏は「仲里氏は普天間の国外、県外移設を掲げている。政治家は公約を着実に真摯(しんし)に実施することが大切だ。翁長次期知事を支えるために、仲里氏を当選させたい」と強調する。選挙区の本島南部では同様に、仲里氏支持に回る保守系元首長らも出ている。
 仲里氏は西銘氏の落選中も後援会長を務めていた。西銘氏は「一番厳しい時に後援会長を引き受けていただき、感謝の気持ち以外にない」としつつも「選挙は選挙で割り切ってやる」と語る。
 一方、仲里氏は「(西銘氏は)相談もなく辺野古を容認した。簡単に公約を翻しては信頼は得られない」と話している。