翁長新県政 副知事に浦崎、安慶田氏を起用へ


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 12月10日に県知事に就任する翁長雄志氏は29日午後、県庁で記者会見し、次期県政の副知事に県議の浦崎唯昭氏(71)と那覇市議会議長の安慶田光男氏(66)を起用すると発表した。

米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を推進する政府に対し、県内移設反対の民意を実現するため政治力の発揮が必要と判断した。知事就任後、直ちに招集する県議会12月定例会に両氏を起用する人事案を提出、可決される見通しだ。
 2人体制の副知事に行政経験者を登用せず、外部登用だけで充てるのは異例。翁長氏は会見で、辺野古移設が最大の争点となった知事選で保革を超えた「オール沖縄」の反対を訴え、移設推進の現職仲井真弘多氏に約10万票の大差で勝利したことを念頭に「新しい歴史の一ページを開いた選挙結果を受けてのことだ。力強いリーダーシップの下でやっていくという意味合いだ」と起用の狙いを説明した。
 それぞれの担当については「早期に決めたい」と話したが、関係者によると、翁長氏は安慶田氏に基地問題を担当させる考えだという。
 浦崎、安慶田両氏を起用する理由については「イデオロギーよりアイデンティティー、保革を超えるといった政治の大筋をしっかりと理解できている方々だ」と説明。翁長氏の政治理念を深く理解し、普天間の県内移設断念などを求めた「建白書」の理念にのっとった政治方針で行動してきたことを挙げた。
 両氏との政治的な立場の近さや関係の深さにも触れ「柔軟に意見交換できる。信頼がこの時期の副知事に大変ふさわしい」と説明。振興計画「沖縄21世紀ビジョン」の着実な推進に向けた両氏の手腕も期待した。
 県議会12月定例会は来月12日に開会し、副知事の人事案件は15日の本会議で採決される公算。
 浦崎 唯昭氏(うらさき・いしょう)43年10月8日生まれ、71歳。那覇市出身。那覇高卒。85年から那覇市議を3期、96年から現在まで県議を5期。副議長も経験。浦崎建材代表。
 安慶田 光男氏(あげだ・みつお)48年8月20日生まれ、66歳。宮古島市出身。琉球大卒。民間企業勤務などを経て85年から那覇市議、13年から市議会議長。

副知事人事について記者会見で説明する翁長雄志氏=29日午後8時ごろ、県政記者クラブ
浦崎唯昭氏 安慶田光男氏