ヘリ着陸帯移設 安波G地区工事公告 高江住民が反発


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ヘリコプター着陸帯の移設予定地

 【東・国頭】東村と国頭村にまたがる米軍北部訓練場の一部返還に伴うヘリコプター着陸帯移設工事で、沖縄防衛局は28日、着陸帯建設予定地の一つで国頭村安波にある「G地区」の工事の入札を公告した。公告は6カ所ある建設予定地のうち5カ所目になる。16日の県知事選で着陸帯建設に反対する翁長雄志氏が当選した後であることや、豊かな自然が残るG地区への建設強行の姿勢に、地元住民や関係者から批判の声が上がっている。

 同局のホームページによると、工期は2016年3月31日まで。今回は着陸帯予定地に加え、進入路の工事も行う。進入路では造成や舗装、排水工事などが予定されている。着陸帯予定地では約1500立方メートルの造成工事、環境整備工事などが行われる。
 着陸帯建設予定地6カ所のうち、東村高江にあるN4地区の2カ所が7月までに完成した。国頭村安波にあるN1地区の2カ所では1月に工事業者が決まり、住民らが建設中止に向けて座り込みを続けている。今回公告があったG地区も年度内に着手する見通しとされていた。
 高江に住む安次嶺現達さん(56)は「着陸帯建設反対の知事が当選し、民意が示された後で、なぜなのかという気持ちが強い」と疑問を呈した。高江でチョウの調査や自然観察会を実施している日本鱗翅学会自然保護委員の宮城秋乃さんは「ヘリパッド建設はたくさんの命を殺すことだと自覚してほしい」と訴えた。