辺野古「再検討が必要」 朝日取材にナイ氏


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ジョセフ・ナイ氏

 米クリントン政権で普天間飛行場返還の日米合意を主導したジョセフ・ナイ元国防次官補(現ハーバード大教授)は8日付の朝日新聞のインタビューに対し、普天間の辺野古移設計画に関し「辺野古移設を沖縄の人々が支持するなら私も賛成する。しかし沖縄の人々の支持が得られないなら、われわれはおそらく再検討しなければならないだろう」と述べた。

 普天間問題について「辺野古を支持することもできるが、同時に長期的には辺野古は解決策にはならないとも指摘する」とも語った。
 ナイ氏は「固定化された基地は現在でも価値はあるが、中国の弾道ミサイル能力向上に伴って、その脆弱(ぜいじゃく)性を認識する必要が出てきた。卵を一つのかごに入れれば、(全て)壊れるリスクが増す」と沖縄への過度な基地集中の問題点を指摘した。
 「かごの卵」論は、同じく対日政策の重鎮で知られるカート・キャンベル前国務次官補もかつて本紙のインタビューで述べている。
 ナイ氏は辺野古移設について「今後10年といった短期間で考えれば宜野湾市の負担を軽減したいわけだから、施設や海兵隊を辺野古に移す方がいいと言えるだろう。しかし辺野古に移しても、20年後を考えると、固定化された基地の問題は解決されないままだ」と指摘した。
 ナイ氏はリチャード・アーミテージ元国務副長官との連名で、超党派の対日専門家による政策提言書「アーミテージ・ナイ報告」を発表し、集団的自衛権の行使容認などを求めてきた。