観光にロボット活用 沖縄高専とカヌチャ提携


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 【名護】国立沖縄工業高等専門学校(名護市、伊東繁校長)とホテル運営などのカヌチャベイリゾート(同、白石武博社長)は、「科学」をキーワードにした観光産業の新たな可能性に連携して取り組む。

ロボットづくり体験などをテーマにした観光商品のほか、観光産業での科学や情報技術の活用方法を探り、双方の成長を図っていく。同校は県内各地域や小中学校で科学に関する出前授業を行っているが、観光業との連携は初めて。全国の国立高専を運営する国立高等専門学校機構(東京)によると全国で同様の事例はない。
 沖縄高専とカヌチャベイリゾートは10日、同校で協定を交わした。
 具体的な取り組みとしては、カヌチャベイホテル&ヴィラズに科学学習コーナーを設置し、同校の学生らがロボットづくりやロボットとの触れ合いなどで観光客らと交流を図る。授業に配慮し、当面は春休みや夏休みなど長期休暇を活用する計画だ。来年3月29日のホテルの海開きで、同校が開発を進めるオニヒトデ駆除水中ロボットの触れ合いコーナーを設ける。
 観光業の現場で情報や科学技術がどのように生かせるかを探り、技術革新や観光業育成にもつなげていく考え。
 連携協定について伊東校長は「出前授業などの地域貢献、人材育成の取り組みに加え、観光という沖縄の成長産業の中での科学の生かし方を探っていく。全国的にも注目される取り組みだ」と連携の意義を強調した。その上で「観光客にこれまでと違った沖縄観光の喜びを提供できるのではないか」と話した。
 白石社長は「興味深い取り組みになるだろう。楽しむことが中心だったリゾート観光に、学ぶことが加われば新たな観光商品の開発にもつながる」と期待した。

触れ合い体験などで活用が予定されているオニヒトデ駆除水中ロボット=10日、沖縄高専
連携協定を結んだ白石武博社長(左から2人目)と伊東繁校長(同3人目)