3者に沖縄研究奨励賞 サツマイモ害虫研究、須藤氏、前里氏


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【東京】沖縄協会(東京都、清成忠男会長)は10日、50歳以下の新進研究者を表彰する第36回沖縄研究奨励賞を発表した。授賞式は2015年1月22日に那覇市のパシフィックホテル沖縄で行われる。

 自然科学部門で県病害虫防除技術センター「サツマイモ害虫研究グループ」の「沖縄地方における難防除害虫ゾウムシ類の基礎生態解明と防除技術開発に関する総合的研究」、人文科学部門で女子美術大美術館学芸員、須藤良子氏の「琉球紅型研究史―琉球紅型のイメージと実像―」、社会科学部門で宮古総合実業高教諭、前里和洋氏の「沖縄県宮古島の地下水保全に関する資源循環型総合研究」がそれぞれ受賞した。
 サツマイモ害虫研究グループはミバエ類根絶を成功させたこれまでの研究を発展させ、久米島でのアリモドキゾウムシの根絶成功に導いた成果が評価された。研究グループの熊野了州(のりくに)代表は「今回の研究の成果が世界的な害虫防除の役に立って欲しい」と語った。
 須藤氏は絵図資料や文献をひもとき、琉球紅型のイメージが近年になってからつくられたものであるとの研究結果をまとめた。「沖縄出身ではないので、受け入れてもらえるか不安だった。外から見た紅型がどう見えるのかという点が評価されたと思う」と語った。
 前里氏は勤務先の高校生や地域住民を巻き込む形で宮古島の地下水を保全し維持する研究に18年間にわたって取り組んだ。前里氏は「長期間にわたって携わってくれた卒業生、現在の生徒や職員に感謝したい」と述べた。