県内雇用ミスマッチ顕著 正社員希望76%に求人28%


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 県内で仕事を探す人の約8割が正社員を希望する一方、企業側の求人に占める正社員の割合は約3割にとどまることが沖縄労働局の統計で分かった。求職と求人の条件が合わない「雇用のミスマッチ」に陥っている。

労働局は県と連携して1~3月に正社員雇用促進のキャンペーンを展開し、企業や経済団体へ正社員採用の増加を働き掛ける。正社員雇用の利点を強調し、非正規労働者の割合が全国で最も高い沖縄の雇用環境改善に取り組む方針だ。
 労働局のまとめによると、2013年度の県内求職者のうち正社員希望者は76%に上った。職業別では専門・技術系が80・0%と高く、事務系が77・1%、販売職74・7%、サービス職69・5%などだった。
 一方、求人数に占める正社員は28・3%にとどまった。職業別では宿泊・飲食18・7%、情報通信25・6%、製造業30・4%、医療・福祉が32・8%などとなり、非正規雇用の求人が7~8割を占めた。
 沖縄労働局は企業側に正社員雇用の利点を示して雇用形態の再考を促す方針。国代尚章職業安定部長は、正社員求人の現状について「非正規雇用で人件費節減を調整せざるを得ない状況もあろうが、それでも3割は少ない」と報告する。
 その上で正社員雇用に関し「社員のモチベーションが向上して計画的な人材育成やサービスの質の向上にもつながる。中長期的な企業経営を考えると利点になる」と指摘し、正社員雇用を促すための助成金活用も呼び掛けている。(古堅一樹)

求職者のうち正社員を希望する人の割合
正社員求人の割合