嘉手納にF16暫定配備 米州兵空軍12機、数カ月間


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 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】米中西部ウィスコンシン州の州兵空軍は6日、同部隊所属のF16戦闘機12機と兵員約250人が今月中に米空軍嘉手納基地に移動し、訓練を行うと発表した。

米国の州兵部隊は一義的に本国防衛や災害救助などを任務としている。海外訓練は異例で、同部隊も「F16を運用する州兵部隊で嘉手納基地に展開するのは初めてとなる」と説明している。嘉手納基地の周辺自治体が外来機の飛来禁止を求める中、騒音など住民の負担増加につながることが懸念される。
 国防総省によると、同州兵部隊は今月から嘉手納に暫定配備され、期間は数カ月間の見込み。
 米太平洋軍がこれまでにも実施してきたアジア太平洋地域で各部隊の作戦遂行能力を高める政策の一環で、国防総省当局者は、北朝鮮などをけん制する狙いもあると述べた。
 F16と兵員は嘉手納基地の第18航空団の指揮下に入る。18航空団や自衛隊と、航空機の運用や災害対応で協力を強化することも暫定配備の目的とされている。
 一方、州兵部隊は駐留期間は明らかにしていない。嘉手納への展開の理由について「太平洋軍の活動を支援する」としているが、訓練内容は不明。訓練については「米空軍や他国のパートナーとの統合運用能力を高める機会をパイロットに与える」とコメントしている。
 州兵空軍の主な任務が自国防衛などであることに関して、同部隊は「自国防衛は最優先事項だ。重要な人員は優先的任務のために(ウィスコンシン州に)残る」と説明している。