沖縄振興予算3300億円台に 百数十億マイナス


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 【東京】政府は2015年度沖縄振興予算を本年度の3460億円から減額して3300億円台とすることを固めた。辺野古移設を容認した仲井真弘多前知事が14年度に概算要求を超える額を確保したのと一転、百数十億円の減額となる方向となった。

複数の政府関係者が12日、明らかにした。厳しい国の財政事情や未執行の予算が多いことを理由とするが、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する翁長雄志知事をけん制する狙いもあるとみられる。予算案は14日に閣議決定する。
 山口俊一沖縄北方担当相は会見などで15年度概算要求(3794億円)の満額回答を得るのは困難との認識を表明していた。14年度に概算要求を超える額を確保した仲井真前知事との政府対応の違いが鮮明になった。
 沖縄振興予算は当初、財務省が3100億円前後で調整していたが、山口氏や政府与党の公明党、県選出・出身自民党国会議員からの上積み要望を受け、3300億円台前半で決着した。内訳で減額となるのは昨年夏の概算要求段階で県要望に最大限配慮して計上し、県側の使途の自由度が高い沖縄振興交付金(一括交付金)や、沖縄科学技術大学院大学など。北部振興事業費(51億円)やキャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区に琉大医学部・付属病院を移転するなど国際医療拠点として整備するための調査費などが盛り込まれた米軍基地の跡地利用推進費(3億8千万円)は概算要求通りとなる見込み。
 15年度概算要求額は「要求額」3294億円と「要望額」501億円に分類されるが、与党関係議員は要望額の満額確保は難しいとみて、要求額の確保を重視していた。