石垣港に電気遊覧船 東京のIT企業が実証実験


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VIBEが開発した電気で推進する遊覧船。石垣島で実証実験に取り組む=13日、石垣市の石垣港離島ターミナル

 【石垣】デジタルコンテンツを提供、運営するバンダイナムコグループのVIBE(東京、本田耕一社長)は太陽光発電などの電気で駆動する遊覧船を開発した。13日、石垣市の石垣港離島ターミナルで披露した。本年度内にターミナル内に電源基地を整備して性能試験などの実証実験に取り組み、次年度に遊覧船を活用した観光商品の開発を目指す。

 遊覧船は全長19・99メートル、19トンで、同社によると、電気推進船(EV船)としては国内で最大という。アルミ合金製で大容量のリチウムイオン電池を搭載。2機のモーターで駆動する。非常時に対応する発電機も備えた。1回の充電で約2時間、約30キロを航行できる。
 年度内にターミナルに太陽光パネルを設置し、電気を供給する蓄電施設を整備する。総事業費は約5億5千万円。県の亜熱帯・島しょ型エネルギー基盤技術研究事業補助金を活用し、県内の企業と共同で開発を進めてきた。
 次年度は現地法人を設立し、EV遊覧船を使った観光サービスを手掛け、年間4千万~5千万円の売り上げを目指す。
 本田社長は「離島の燃料コスト高の問題解決や観光産業への活用に向けて、石垣はEV船事業を実践する場所として適している。今後EV船の普及や石垣観光のPRにつなげられるよう取り組みたい」と話した。