操業ルール策定持ち越し 日台の漁業協定予備会合


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 2013年に日本と台湾が締結した日台漁業取り決め(協定)について、双方の当局者レベルの予備会合が15日、15年度以降の操業ルール策定に向け那覇市の県青年会館で開かれた。

漁船間隔や排他的経済水域(EEZ)の境界線の認識などで双方譲らず、協議は次回会合に持ち越された。2月中にも東京で再度予備会合を開く見通しだ。
 会合は非公開。午前10時~午後5時半に協議した。
 漁船間隔については、4カイリ(約7・4キロ)を求める日本と1カイリ(約1・85キロ)を要望する台湾で意見が食い違い、14日の漁業者間会合に続き、15日の予備会合でも溝は埋まらなかった。
 参加者によれば、EEZの認識についても依然双方に溝がある。前期の台湾漁船の拿捕(だほ)の実績が報告されると、台湾側から「日本のEEZは認めていない。(台湾が主張するEEZの)暫定執法線と重複している」との批判があったという。
 会合後、交渉に当たった水産庁資源管理部の枝元真徹部長は記者団に対し「協議内容について(コメント)は控えたい。次の漁期に向けて(再度)会合を開かないといけない。沖縄、宮崎が安心して漁業できる環境を整える」と話した。ルール策定については、前期のルールを基に交渉していく構えを示した。
 県漁業協同組合連合会の国吉真孝会長は「何も決まらず、双方持ち帰る。お互いの主張が強くてかみ合わない」と述べ、足早に会合の場を後にした。
 台湾宜蘭(ぎらん)県蘇澳(すおう)区漁会(漁協)の陳春生理事長は、日本側が求める操業間隔について「4カイリを受け入れると操業隻数が7割減少する。到底受け入れられない」と強調。「(前期ルールの)改善点を検討すべきだ」と憤った。

日台漁業取り決めに伴う予備会合について、記者団の質問に答える(右から)水産庁資源管理部の枝元真徹部長、台湾宜蘭県蘇澳区漁会の陳春生理事長、県漁連の国吉真孝会長=15日、那覇市の県青年会館
日台漁業取り決めの合意内容(2014年4~7月期)