寄り添う歌、神戸と合奏 被災の稲垣さんら


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神戸へ向けて笑顔で歌う参加者たち=17日、那覇市安里のコミュニティーカフェ「Origin」

 歌を通して阪神・淡路大震災の経験を思い起こす集いが17日、那覇市のコミュニティーカフェ「Origin(オリジン)」で開かれた。毎年、震災のあった17日に開いている会。インターネット電話「スカイプ」で神戸と沖縄を結び、20年前に思いをはせた。

 集いの名は「避難所セッション」。神戸市出身で自身も被災経験のある沖縄国際大・沖縄大特別研究員の稲垣暁さん(54)らが中心となり、2001年に始まった。05年に稲垣さんが沖縄に移り住んで以降は神戸と沖縄をネットでつなぎ、現在は神戸市灘区にある沖縄おでんの店「通い船(かゆいぶに)」と交流している。
 この日は午後8時半ごろから互いに三線などの楽器を手に、ソウル・フラワー・ユニオンが避難所で歌った「満月の夕」や沖縄の小学生の詩を基にした「つる」を“合奏”した。沖縄側で参加した城間秋乃さん(26)は「こういった取り組みをいい機会にして神戸に寄り添っていきたい」と言い、神戸側で参加した慈憲一さん(48)は「沖縄は被災地と離れているが神戸の震災を伝え、つながっていくことが大事」と語った。(大城周子)