【チャイナ網路】軍事演習の意味


社会
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 2012年、中国は台湾に戦線布告。31万の兵を率いて台湾上陸をもくろむ―という想定の軍事演習が4月16日から行われた。コンピューターシミュレーションによるもので、コードナンバーは「漢光23号」。20日、無事中国軍を撃退して終了している。台湾が独自に軍事演習を始めたのは1979年。米国との断交で合同演習が途絶えてからだ。近年は電磁パルスやコンピューターウイルスへの防衛にも幅を広げつつ、全国規模の防空演習「万安演習」同様、毎年1回行われている。
 今回の目玉は、5年後に就役するとみられる中国初の航空母艦への対応策だ。米軍顧問団が全行程を見守る中、台湾側が打ち出したのが、陸海空三軍の最新連合防衛システム「TSMFS」だった。
 詳細は不明だが、台湾が独自に開発した雄2E巡航ミサイルの存在が確実視されている。攻撃型兵器の開発を憂慮する米にあえて示したのは、かつてIDF戦闘機開発と仏のミラージュ供与同意がF16供与のきっかけとなったように、巡航ミサイルの開発技術あるいは同等の兵器供与を求めたものだとみられている。
(渡辺ゆきこ、本紙嘱託・沖縄大学准教授)