てだこ浦西駅周辺 県内初、電力自給の街づくりへ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
(クリックで拡大)

 【浦添】内閣官房などが主催する「環境未来都市構想」推進協議会のワーキンググループ会合が19日、浦添市役所で開かれた。浦添市(松本哲治市長)は、2019年春に開業予定の沖縄都市モノレール「てだこ浦西駅」周辺の約20ヘクタールの開発について、官民連携によるエネルギーマネジメント特定目的会社を設立し、再生エネルギーによる独自の電力供給機能を備えた開発の計画を示した。

街全体でエネルギーを効率的に利用する「スマートコミュニティー」として県内初の試みとなる。
 事業計画は、地域の建物屋上などに太陽光発電施設を配置し、電力や熱(冷温水)のエネルギーに変えて区域内の住宅や商業施設などに送配する「コージェネレーションシステム」を導入。区域内を情報ネットワークで結んで電力消費量をリアルタイムで観測し、需給を一元管理する「スマートグリッド」(次世代送電網)を取り入れ、電力利用の効率化と二酸化炭素排出の抑制を図る。
 また、蓄電施設により台風などの災害時にも停電を起こさない防災対応や、フィットネスジム事業者と連携した住民の健康づくりの促進など、環境と健康に特化した近未来的なまちづくりを見据えている。
 てだこ浦西駅の周辺開発は区画整理事業の手法で進めるが、地権者による区画整理事業組合とは別に、市と民間企業、金融機関の出資・融資による持ち株会社「まちづくり法人(仮称)」を15年度中に設立する。「エネルギー事業」のほか駐車場や防災施設などの「インフラ管理事業」、スポーツアリーナと併設した「健康増進施設事業」を担う特定目的会社を傘下に置き、各事業の計画や運営を行うことを構想している。
 松本哲治市長は「てだこ浦西駅の開発がモデルになるような成功を収めることで、キャンプ・キンザーの跡利用など沖縄全体の方向性を決定するような浦添市西部の開発につながる」と今後、市全域にも適用を広げていく考えを示した。