辺野古に数十トンブロック投入 防衛局、作業を強行


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 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で27日、大型クレーン船など作業船計7隻が大浦湾に到着した。沖縄防衛局は大型クレーン船で浮具(フロート)や浮具を固定するためのトンブロック(数十トン規模のコンクリートブロック)を設置する作業を開始。

これまでで最大規模の海上作業となる。翁長雄志知事は26日に立ち上げた第三者委員会で埋め立て承認の取り消し撤回を視野にした検証期間中、海上作業を見合わせるよう求めていた。政府は要請を聞き入れず作業を強行した格好で、翁長知事は「できる限りの対処をしたい」と反発を強めている。
 防衛局は環境影響評価書で「日の出1時間程度後から日没1時間程度前の間に作業を行うよう努める」としてジュゴンなど環境への影響を考慮することを明記した。だが、27日の作業が始まったのは日の出前の午前7時すぎだった。
 さらにトンブロックについても県が新たな岩礁破砕に当たる可能性があるとして防衛局に詳細を問い合わせていた。だが、回答しないまま設置作業を開始。防衛局は「個別の作業には答えられない」としている。
 防衛局は27日午前7時すぎ、大型クレーン船2隻と資材運搬用の台船3隻など計7隻を大浦湾に投入した。作業はキャンプ・シュワブのビーチ沿岸を囲んだフロートの中で行われた。大型クレーン船が何度も向きを変えながら、トンブロックを次々と海中に投下した。
 関係者によると今後2、3日かけて施工区域を山形のフロートで囲い、準備が整い次第、事実上の埋め立て工事となる仮設桟橋(岸壁)設置作業を開始する。2月に大型スパット台船を投入し12カ所の海底ボーリング調査を実施する予定。
 海上の作業現場は臨時制限区域を明示するために設置された油防止膜(オイルフェンス)で囲われている。
 海上保安庁の巡視船が警戒する中、移設に反対する市民らは作業現場に近づけなかった。
英文へ→Dozens of tons of concrete blocks introduced in Henoko: Okinawa Defense Bureau forcing through new base construction

トンブロックを海中に降ろす大型クレーン船=27日午後4時40分すぎ、名護市辺野古沿岸