グアム移転予算1.2億ドル要求 米国防総省、2.5倍増も低水準


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 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】米国防総省は2日発表した2016会計年度(15年10月~16年9月)の国防予算案で、在沖米海兵隊のグアム移転費として前年度の2・5倍となる1億2600万ドル(約148億円)を計上した。ただグアム移転事業に関する米側負担分の総事業費は55億ドル(約6450億円)で、16年度はその2%程度にとどまる。昨年12月に移転費の執行凍結が解除されたが、まだ低水準の予算計上が続いている形だ。

 日米関係筋は16会計年度のグアム移転費について「予算額は移転事業の後半に大きく増える」との見通しを示し、移転計画は着実に進んでいると強調した。
 グアム移転事業をめぐっては経費の積算のずさんさや、米軍普天間飛行場の辺野古移設計画の見通しが不透明だとして米議会が11会計年度以降、日本側の支出分を含む予算を減額、削除、凍結していた。
 その後米政府が昨年夏に移転事業の基本計画を提出したことから議会側は態度を軟化させ、12月に予算凍結を全面解除した。16会計年度予算は議会の凍結解除から初の要求となるため、注目されていた。
 日米両政府が合意している嘉手納より南の米軍基地の返還・統合計画では、20年代前半に在沖海兵隊のグアム移転を始める予定だ。ワーク米国防副長官は昨年夏の講演でグアム移転は「おそらく25年までかかる」と述べている。
 海兵隊の国外移転完了後、牧港補給地区のうち海側の142ヘクタールを返還する計画。