県内国保赤字118億超 13年度、高齢者割合が影響


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 県は12日、2013年度の県内市町村の国民健康保険の財政状況(速報値)を発表した。一般会計からの法定外繰入金を差し引いた単年度実質収支は約118億5500万円の赤字で、前年度(確定値)と比べて約12億400万円(11・3%)増えた。

統計のある10年度以降で最大の赤字額となった。
 県は赤字の構造的原因として低所得層の割合が多いことに加え、沖縄戦の影響で全国と比べて前期高齢者(65~74歳)の割合が低いため、前期高齢者交付金額が少ないことを挙げた。県は前期高齢者の加入率が全国並みだった場合、同交付金額が166億円増加すると試算しており、同交付金制度の是正により赤字は大幅に圧縮される可能性がある。
 41市町村のうち36市町村が赤字だった。黒字の自治体は東村、北大東村、伊是名村、竹富町、与那国町。一般会計からの繰入総額は約91億1200万円で、統計のある1997年度以降過去最大となった。全国の13年度国保赤字額は3139億円に上ったが、赤字の12年度比増加率は2・8%で、県内は4倍の増加率となっている。国民健康保険課は「県内は特に厳しい状況にある」との認識を示す。
 前期高齢者交付金は12年度比18・2%減の約90億6千万円。全国は4・0%増の約3兆3千万円だった。同課は「前期高齢者の加入者の伸びが全国よりも緩やかだったことなどが影響しているのではないか」と分析している。