「人に役立つため勉強を」 ノーベル賞の天野氏が講演


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講演で学ぶことの意味について語る天野浩氏=16日、浦添市てだこホール

 2014年ノーベル物理学賞受賞者の天野浩氏(54)の講演会(琉大ドリームチーム主催)が16日、浦添市のてだこホールで開かれた。「若い頃の夢と青色LED~小学生から学生時代まで」と題して講演した天野氏は「勉強するのは人の役に立つためだ」と述べ、学ぶことの意味について語った。 

 講演後、報道陣の取材に応じた天野氏は、今回の来県でひめゆりの塔を訪れたことを話し、県内の高校生に対して「戦争体験を知り、新しい世界をつくるために何ができるのかを考えてほしい」と激励した。
 会場には県内の小中高校生約800人、一般を含めて約1100人が来場した。琉大ドリームチームの波平宜敬会長と天野氏が親交があったことから、今回の講演会が実現。天野氏の来県は初めて。
 講演で天野氏は、中学生のころ「なぜ勉強しなければならないのか」との疑問を抱き続けていたという。名古屋大学工学部に入学後、授業の中で「工学部の『工』には人(一)と人(一)をつなげるという意味がある」という先生の言葉に「人の役に立つために勉強するのだ」と理解したという。
 会場との質疑では、高校生からの「研究への情熱を維持するためにはどうすればよいのか」との質問に、天野氏は「成功したときのイメージを頭の中に持つことだ」と話した。講演後に天野氏からサインをもらった沖縄工業高1年の柳澤啓太君(16)は「素晴らしい機会だった。サインは宝物にする」と高揚した様子で話した。