防衛局回答「トンブロック新設せず」 県、24日にも海中調査


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 沖縄県は20日、米軍普天間飛行場の移設計画をめぐって沖縄防衛局が名護市辺野古沿岸部の海底に設置したコンクリート製の「トンブロック」がサンゴ礁を傷つけている問題で、今後は新たな設置や既に設置したものの移動予定はないとした防衛局の19日付の回答文書を受け取った。県は当初の予定を繰り上げ、24日から約2週間、辺野古沖で潜水調査をする方針。ただ防衛局は、岩礁破砕許可区域内での海底ボーリング調査を来週にも再開する見通しだ。

 サンゴ損傷については翁長雄志知事が16日、防衛局に岩礁破砕許可区域外での作業の停止と設置済みブロックの移動禁止を指示。指示に従ったかどうかの回答を求めていた。
 県は防衛局に24日からの調査に際し、防衛局職員の派遣と臨時制限区域への立ち入り許可を求めている。防衛局に23日までの回答を求めているブロックの設置位置などについての資料を受け、調査に入る方針。
 翁長知事は20日、「今後の提出資料や県の調査結果なども踏まえ、許可権者として厳正かつ適切に対応する」とのコメントを発表。防衛局が指示に従わない場合、破砕許可の取り消しもあるとの見解を示していたことに関して、記者団に対し「きょうの文書ではまだ判断ができない。23日を待って対処したい」と述べた。
 一方、防衛局は19日付の回答で、ブロック設置について「(許可の際に)県から手続きの対象とならないと示された。県内の他の同種事案でも手続き対象ではない」とあらためて主張した。
 また政府は20日、ブロック設置は県漁業調整規則に基づく手続きの対象外だと県に確認したとし「周辺環境への影響を最小限にとどめるよう配慮している」との答弁書を閣議決定した。