アスティーダ初V 新報旗総合団体卓球


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男子決勝 琉球アスティーダA―華風紫A サーブで攻める琉球アスティーダの熊田智幸(左)と渡部将史=22日、県総合運動公園体育館(仲本文子撮影)

 卓球の第38回新報旗争奪総合団体選手権大会(主催・県卓球協会、共催・琉球新報社)最終日は22日、県総合運動公園体育館で行われ、男子は決勝で琉球アスティーダAが華風紫Aをストレートで破り、初優勝を飾った。女子は決勝でコザ高Aが沖縄国際大を下し、29年ぶり2度目の頂点に立った。

◆渡部・熊田組/百戦錬磨の冷静さ
 男子決勝、琉球アスティーダAのダブルス・渡部将史・熊田智幸組は第1セットを取るが、第2、3セットを連続で奪われた。シングルスで2勝し、先行しているとは言え、ダブルスを落とせば相手を勢いづけてしまう。そんなピンチにも百戦錬磨の2人は冷静だった。
 「自分たちで勝手にミスし、自滅している」。そう2人で確認すると、第4セットはコースや強打を狙うのではなく、まずはボールを返すことを優先させた。
 渡部がつなぎに徹して相手のミスを誘い、開始から7連続ポイントを奪った。ラリーで主導権を握ると、甘い球は熊田が力強いスマッシュを返した。第4、5セットを連取し、逆転で初優勝を決めた。
 ともに京都の強豪・東山高出身。41歳の渡部は高校総体8強、34歳の熊田は同志社大時代に全日本選手権で16強入りするなど、華々しい戦績を誇る。2013年の琉球アスティーダ結成を機にダブルスを組んだ。渡部は「めちゃめちゃ頼りになる」と後輩の熊田に全幅の信頼を寄せる。
 アスティーダは「沖縄から世界へ」を合言葉に、県内で卓球の講習会を開催し、中学生や女子選手らを指導している。熊田は「培った経験を沖縄に還元したい」と意気込む。渡部は「自分たちが強くないと教えてても説得力がなくなってしまう。勝てて良かった」と笑顔を見せた。(荒井良平)