【電子号外】西川農相が辞任 政治資金問題で引責


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 西川公也農相(72)=衆院比例北関東=は23日、自身が代表を務める自民党支部の政治資金問題の責任を取り安倍晋三首相に辞表を提出した。首相は了承した。後任に林芳正前農相を充てる。第2次安倍内閣以降では昨年10月に小渕優子前経済産業相、松島みどり前法相が交代したのに続く閣僚辞任。西川氏は重要政策の環太平洋連携協定(TPP)や農協改革を担当しており、政権にとって打撃だ。

 首相は23日の衆院予算委員会で、西川氏の献金問題について「(これまでの説明で)国民から十分に納得を頂いていないのも事実だ」と指摘し、西川氏自身が説明責任を果たすべきだと強調していた。野党は首相の任命責任を追及する方針だ。
 西川氏が代表の自民党栃木県第2選挙区支部は2013年7月、砂糖メーカーの団体「精糖工業会」(東京都)が運営するビル管理会社「精糖工業会館」(同)から100万円の寄付を受けた。精糖工業会は同年3月に農水省から13億円の補助金交付が決まっていた。政治資金規正法は補助金の交付決定から1年間、政党や政治資金団体への寄付を禁じている。
 砂糖はTPP交渉でコメや麦などと並び、日本が関税撤廃の例外と位置付ける重要5項目の一つ。西川氏は13年7月当時、自民党TPP対策委員長を務めていた。
 この政党支部は12年9月にも、国の補助金交付が決まっていた栃木県の木材加工会社から300万円の寄付を受けた。西川氏はいずれのケースでも違法性を否定している。